radiko(FMラジオ)とUX【○○とUX】

元バンドマンの父親の下で育ったこともあり、私は音楽が好きだ。

娯楽の少ない地方で育ったこともあり、思春期時代の娯楽といえば、もっぱら「5枚1000円のアルバムレンタル @TSUTAYA*1であった。

月2回は間違いなく行っていたので、そうすると5枚の枠が埋まりきらないことがある。そういう際に、テキトーに1枚選んで借りていくのが本当に好きだった。

 

その後上京ししばらくすると、TSUTAYAには行かなくなり、代わりに生活に入り込んできたのはApple Musicだった。

とある友人*2ほどではないが、Apple側から見たらかなりのヘビーユーザーなはずである。気づいたら、完全に音楽生活のプラットフォームになっていた。

 

そして数年使い続けてきたが、特に最近、1つのもやもやを抱えていた。

 

音楽を聞くのが面白くないのである。

 

おそらくApple Musicのレコメンド精度に問題があるのだが、「知らない曲やアーティストとの新しい出逢い」がほぼなくなってしまった。

私の視聴データが大量に溜まった結果、自分の趣味嗜好にどストライクに合うアーティストしか表示されなくなってしまったのだろう。

もちろん、「King Gnu聞いてみたい!」など探しに行けば出会えるのだが、社会人にもなり、社会のトレンドからやや置いていかれるようになると、そんな機会も少なくなり・・・

僕はミスチルが大好きだが、さすがに毎日ミスチル(とその周辺の音楽)を聞いているとやや疲れる。

 

どうしたものかと思っていたところに救世主が。

 

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そう、radiko(FMラジオが聞けるアプリ)である。

 

元はと言えば、藤原さくらのラジオ*3が聞きたくてDLしたradikoだった。

しかし、その他のときにもつけてみると、それはそれは面白い。

趣味や好みに関係なく、色々な音楽が次々と流れてくる感覚はとても新鮮で、心から楽しいなと思った。

あの、「1枚余っちゃったから何か借りてみよう」という新しい出逢いの感覚が戻ってきたような感じ。

 

少なくとも自分が成し遂げたいのは、「好きな音楽は音楽で聞きつつ、新しい音楽との出逢いにワクワクし続けたい」という物語だったのだ。

それを踏まえると、Apple Musicは実は「好きな音楽をもっと深ぼる&ストックしにいく」ことに特化しているように見える。一方でSpotifyは、そのストック性が弱い(ように感じた)

 

そう考えると、実は自分の状況にピッタリなのはradikoというサービスであったのだ。

  • FM局は各局ごとに特色があるので、出逢いが多そうなチャンネルを予め選ぶことができる
  • 出逢いが多い番組 / 少ない番組もなんとなく分かってくるので、タイムフリー機能*4を使えば、さらに出逢いの蓋然性を上げられる
  • 気に入った楽曲があればApple Musicで登録すれば良い

 

音楽サブスクリプションサービスにマンネリ中の皆さま、行き帰りの電車の中でのradiko、オススメです。

*1:ちなみに運営元はCCCではない、田舎の小さなTSUTAYAである。ちなみに、フジファブリックの『アラカルト』の在庫があるSHIBUYA TSUTAYAがずっと憧れだった。『桜並木、二つの傘』を聞きたくて3年間待ち続けた高校生は私くらいでは?

*2:3ヶ月で1万曲聞くぜ!と言って本当に聞ききった友人がいる。彼曰く、『パンクは一曲が2分で終わるので最高』とのこと

*3:モーモータウンレディオ。この3月で終わってしまった…

*4:1w以内の番組であればいつでも遡って聞くことができる

ライブとUX〜藤原さくら編【○○とUX】

7月15日、藤原さくらのライブ@日比谷野音に行ってきました。

 

ライブ自体もまさにタイトル通り「野外音楽会」で素晴らしかったのですが(これはそのうち書く)、終演後のUXが感動モノだったので思わず書いちゃいました。

※ちなみに藤原さくらを「月9ドラマに出てた人だな〜」くらいのイメージしかない方はこの動画見てみて。こんな感じの素敵な音楽やってるよ。

 

 

終演後、ライブセットリストへのリンクがQRコードで配られる

 

大満足の3時間が終わり、「いやー良かった。Twitterで誰かセットリストまとめてないかな。」など思いながら、スマホを起動しながら出口へ向かっていたとき。 

出口でこんな紙を貰いました。

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裏にはこんなものが。

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このQRコードを読み込むと…こんな画面になって…

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その後は

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こんな感じ。読み込んでから僅か2クリックで、今日のプレイリストが手に入ります。

 

「余韻に浸りながら帰りたい」と元から思っていたところ、この一枚の紙によって、プレイリスト登録の手間が大幅に削減できました。*1

その結果、日比谷公園を出る瞬間には最初の曲を再生し、興奮冷めやらないうちに余韻に浸れるように。余韻をずっと残したまま、素晴らしい帰り道を過ごすことができました。

 

 

【学び】ハレの日の満足度を高めるために、ハレの日の後の体験もデザインする

 

イベントなどを設計する際、ついその数時間の価値ばかりに目が向きがちですが、イベントまでの行き帰りまでがユーザにとっては「イベント体験」とも捉えられます。

できるだけ気持ちを高めてもらう、あるいは余韻をできるだけ残してもらう。その観点も持ちながらハレの日をデザインすることが大事そうです。

*1:これ、プレイリストを自分で作って余韻に浸る習慣がない観客にも、もしくは曲名が分からない観客にも、「ライブで聴いた曲を聞いて、余韻に浸りながら帰る」という新たな楽しみ方を提案していますよね。

その意味で、ビジネス的に見ても、サブスクリプションサービスでの再生数向上(=アーティスト側の収益向上)にも繋がりそうな良い施策だなあと。